「映画館離れ」を考える②:シネコンが集客力を上げるにはどうすればよいか?
【このテーマを選んだ理由】
映画一本あたりの入場者数の減少に加え、「映画館離れ」を象徴するのは、映画館の総数の減少です。田舎の一般映画館が減り、都会のシネコンに一元化されているといえます。これにより、人々から映画館までの物理的・心理的な距離が離れていっていると考えられます。このような状況下では、シネコンはより強い来場へのモチベーションを抱かせなければなりません。これを踏まえて、シネコンが地方の人々の足を遠ざけないためにどうすればよいかを考えました。
【シネコンが集客力を上げるにはどうすればよいか?】
私は、「臨機応変に劇場の使い方を変える」ことが重要だと考えています。昨今、スマートフォンを触れる映画館の需要が高まっています。これは、映画館に映画を観に来ているのではなく、人と集まりに来ているからだと思います。ライブビューイングや、アイドル映画を観に来る人々も、それぞれの仲間内の雰囲気を味わいに来ていることが多いと感じます。多くのスクリーンや設備を持つシネコンでは、多様化する映画の楽しみ方を互いに干渉させることなく全て叶えることができるのではないかと考えます。
【補足】
本日も、参考資料とデータの補足をしておきます。昨日と同じ映画産業統計によれば、映画館のスクリーン総数は緩やかな増加傾向にあります。しかし、そのうちシネコン(シネマコンプレックス:複数のスクリーンを持つ複合型映画館)の数はスクリーン総数よりも急激に増加しています。シネコンは1つ増えると2つ以上スクリーン数が増えるため、総数の増加の方が緩やかということは映画館の総数が減っていることを指します。
加えて、シネコンがどのように集客力を上げるかということについて、東宝株式会社が発表している中長期戦略を載せておきます。キャラクター戦略などはさておき、映画館の生き残りに関しては、本当に高級化・高性能化だけで良いものかやや疑問に思います。これを踏まえて上のような考えを述べています。興味のある方はぜひご一読ください。
本日も、読んでいただいてありがとうございました。
〈日本映画製作者連盟 日本映画産業統計 全国スクリーン数〉
過去興行収入上位作品 一般社団法人日本映画製作者連盟 (eiren.org)
〈東宝グループ中長期戦略 TOHO VISION2021〉
参考